{"created":"2023-05-18T10:24:48.575384+00:00","id":443,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"a6ab1445-eda9-49c6-9a1b-be2f17bc7003"},"_deposit":{"created_by":7,"id":"443","owners":[7],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"443"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:togaku.repo.nii.ac.jp:00000443","sets":["1:5:21"]},"author_link":["351","352"],"control_number":"443","item_10002_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"1996-03-15","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographicPageEnd":"91","bibliographicPageStart":"71","bibliographicVolumeNumber":"4","bibliographic_titles":[{"bibliographic_title":"東洋学園大学紀要"},{"bibliographic_title":"Bulletin of Toyo Gakuen 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GSPは,平等・無差別を原則とするGATTの精神と相容れないために,国連貿易開発会議(UNCTAD)において合意されたものであるが,GATTにおいても例外的なものとして認められている。GSPの目的は先進国が開発途上国に対し,特恵関税を供与することによって開発途上国の経済を発展させ,南北問題の解決のための一手段としようとするものである。GSPは先進国から開発途上国に対し一方的に与える恩典であるので,どの国を特恵関税の受益国とするかは,専ら特恵供与国の自由裁量によっている。\n わが国が実施しているGSPにおいて,特恵関税の対象品目は鉱工業産品と農水産品とに区分けされている。\n 鉱工業産品については,原則として全品目が特恵関税の対象となり,特恵関税率は無税であるが,例外として引下げ率が50%の品目(SP品目)がある。また原則として各品目とも数量制限がなく,エスケープ・クローズ方式が採用されている。ただし,例外としてシーリング方式で運用されている品目もかなり多く残っており,これに該当する品目については特恵輸入数量がシーリング枠に到達すると特恵の適用が停止する。なお,各受益国に関してシーリング枠の4分の1で特恵輸入量が制限される頭打ち措置がある。\n 農水産品についてはポジテイブ・リストに掲げられた品目のみが特恵供与の対象となっている。数量の制限はなく,エスケープ方式で運用されている。\n その他の措置として,\n 1 後発開発途上国(LLDC)に対しては,特別に優遇的な条件で特恵関税が与えられている。\n 2 ASEAN諸国に対しては,累積原産地制度が適用されている。\n 3 国別品目別に特恵適用の例外措置がある。\n 次に,わが国のGSPの最近の運用状況をみると,\n 1 わが国の全世界からの総輸入額に占める特恵受益国からの輸入額の割合が漸増している。\n 2 全世界からの総輸入額に対する特恵受益国からの特恵対象物品輸入額及び特恵適用額の割合がともに漸増傾向にあり,GSPを有効に利用しての輸入が増加している。\n 3 特恵適用率について,例えば1993年度についてみると,農水産品では88.4%と高い率を示しているが,鉱工業品では40.2%と著しく低い。\n 4 農水産品に関し,例えば1993年度についてみると,総輸入額が8.0%であるのに対し特恵対象物品輸入額が1.5%と低い割合である。\n 5 鉱工業産品のうち,特恵輸入数量にシーリング枠のある品目についていくつかの問題点があるが,それらを指摘した。\n 6 各特恵受益国別に特恵適用の輸入額をみると,韓国,中国,台湾からの輸入が圧倒的に多い。特に中国からの特恵適用の輸入が急伸している。その他,ASEAN5カ国の割合も多い。\n\n第3章においては開発途上国にとって望ましいGSPとして,今後のGSPのあるべき姿を考察し,それを提言した。\n GATTにおける数次のラウンド交渉によって譲許税率は引き下げられ,そのために特恵関税のメリットは漸減してきている。理論的には将来譲許税率がゼロに近づけば特恵関税は機能を喪失する運命にある。従って,GSPを現状のまま維持していたのでは,特恵関税のメリットはどんどん目減りしていくので,このメリットをいかに多くの開発途上国に配分するかが課題となる。その方策として,\n 1 現在の特恵受益国のなかから卒業国がでてきてもよいのではないか,との観点からわが国のGSPにおいて,特定の国を特恵受益国として指定する場合,またこの指定を解除する場合の法令の規定の内容を米国及びEUにおける場合との比較において検討した。\n 2 特恵対象産品については,\n  (a) 鉱工業産品のうち特に繊維,木材,雑貨等の軽工業品について,特恵輸入のための門戸拡大策を検討した。\n  (b) 農水産品については,ポジテイブ・リストに登載する特恵対象品目の拡大策を検討した。特に熱帯産品の有望性につき言及した。\n\n 最後に,GSPの今後の展望として,特恵関税のメリットはそれを真に必要とする国に与えるべきである,との理念を徹底すべきこと,そのためには現在のGSPを新たなる構想の下に再構築すべきことを提唱した。具体的には,特恵受益国としてはLLDC等を中心に考えて,中進国についてはその対象から除外してはどうかということである。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_10002_publisher_8":{"attribute_name":"出版者","attribute_value_mlt":[{"subitem_publisher":"東洋学園大学","subitem_publisher_language":"ja"}]},"item_10002_relation_12":{"attribute_name":"論文ID(NAID)","attribute_value_mlt":[{"subitem_relation_type":"isIdenticalTo","subitem_relation_type_id":{"subitem_relation_type_id_text":"110000988608","subitem_relation_type_select":"NAID"}}]},"item_10002_source_id_11":{"attribute_name":"書誌レコードID","attribute_value_mlt":[{"subitem_source_identifier":"AN10421432","subitem_source_identifier_type":"NCID"}]},"item_10002_source_id_9":{"attribute_name":"ISSN","attribute_value_mlt":[{"subitem_source_identifier":"09196110","subitem_source_identifier_type":"ISSN"}]},"item_10002_version_type_20":{"attribute_name":"著者版フラグ","attribute_value_mlt":[{"subitem_version_type":"VoR"}]},"item_access_right":{"attribute_name":"アクセス権","attribute_value_mlt":[{"subitem_access_right":"metadata 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